〈5〉認知症の母がデイサービス体験——初めての一人外出も

介護日記

東京から、私達夫婦が住む兵庫に越してきて、同居を始めた私の母ハム子さん。1週間後、デイサービスの体験に行くことに。ハム子さんが気に入ったら、毎週利用することになります。部屋で一人退屈していたので、楽しんでもらえるんじゃないでしょうか。

認知症の母がデイサービスへ——認知症対応型を選んだ理由

認知症対応型で、民家を改装したデイサービスがあると、職場の相談員から聞いていました。料理ができるご利用者さんは、スタッフと一緒に昼食の下ごしらえをしたりする、アットホームなデイサービスだそうです。

畑もあるので、暖かい季節になったら畑での作業もできるとのこと。家庭菜園や花を育てるのが好きだったハム子さんにピッタリじゃないかと、体験を申し込みました。

もちろん、実際に申し込んだのはケアマネさんです。こちらの希望を聞いて、すぐに連絡を取ってくれました。柔らかい雰囲気の、気さくで話しやすい女性です。このケアマネさんには、これから母ともども大変お世話になります。このときはまだわかりませんでしたが…。

朝送迎の車が来ると、ハム子さんはいそいそと乗り込みます。社交性が高いので、挨拶もそつなく交わしている様子。車の中から手を振って、笑顔で出発しました。
デイサービスの説明をすると、
「それは楽しそうね
と喜んでいましたからね。

ハム子さんがデイサービスに行くと、私には完全に自由な休みができます。自室でも、隣の部屋にいるハム子さんのことは気にしながら過ごしていました。疲れて昼寝をしたくても、財布につけた鈴の音がすると、一人で出ていくんじゃないかと気になって様子を見に行っていたんです。

お試し同居のときと違って、部屋には見慣れた自分の家具が並んでいます。自分の部屋なので、引っ越す前のように気軽に出て行こうとするのです。出たら最後、同じような団地が並んでいるので、帰ってこられないでしょう。

デイサービスから笑顔で帰宅——買い物もカラオケも楽しんだ母

にこやかに体験から帰ってきたハム子さん。送って下さった介護士さんが、画像を見せながら説明してくれました。散歩がてら一緒に買い物に行ったり、昼食作りに参加したり。後片付けをして、午後はみんなとカラオケを楽しんで…。笑顔の写真もいただきました。

もちろんハム子さんは何をしたか覚えていませんが、帰ってからもご機嫌で楽しそうな様子。こんなに楽しい時間を過ごせるなら、利用させてもらいたいと、ケアマネさんにも伝えました。

姉弟にも、体験の内容と写真の画像を撮ってお知らせ。このまま利用が決まったらいいね、とやり取りしました。次の週には、当時私が勤めていた施設のデイケア(通所リハビリテーション)で体験を予定しています。この様子だと、デイケアも楽しめそうです。

ハム子さんが一人で過ごす日は、2月のあと5日間だけです。契約が済めば、3月からは週5でサービスを開始できます。それまでは何とか無事に過ごせるかな…と、私達は安心しかけていました。

次回は母が一人で外出してしまう話

デイサービスの体験から2日後の日曜日、私達は夫婦ともに仕事に出ていました。そして、運悪く夫ちーちゃんは残業になり、急いで帰ると鍵が開いていて、ハム子さんの靴がありません!一人で出て行ってしまったのです。

家を覚えていないのに、ついに「ちょっとそこまで」と気軽に外出してしまいました。慌てふためき捜しまわる私達。次回は、そのときのことを書きますね。

読んでいただき、ありがとうございました!次回もお付き合いいただけるとうれしいです。

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