〈4〉認知症の母との同居スタート——お試しと違って困ったこと

介護日記

私の母、ハム子さんが東京から兵庫に引っ越し、私達夫婦との同居が始まりました。
混乱せず、穏やかに過ごせたら…と思っていましたが、混乱したのは私達の方でした。

新居でトイレの場所が毎回わからない——張り紙の工夫で解決

お試し同居では、スムーズにトイレに行けたハム子さん。
引っ越してからは、トイレのたびに
トイレどこだっけ?
と尋ねます。
ウロウロ探して、居間のふすまを開ける始末。

狭い団地の間取りなのに、どこを迷うのか分かりませんが…。
間取りが違うと、こうも変わるものかと思いました。

トイレの照明スイッチも見つけられません。
スイッチは向かいにある浴室側の壁にあって、確かに分かりにくいんです。
その上、トイレ・脱衣所・浴室のスイッチが並んでいます。

スイッチごとに「トイレ」などと文字を貼っていましたが、まずそこに辿り着けません。
給湯パネルを触ろうとしたり、くるくる回ってみたり…。

そこで、給湯パネルの上に
←電気のスイッチ
と張り紙してみました。

すると、張り紙に気付いて、その先のスイッチに自力で辿り着けることが増えたんです。
そこまでが長かったので、それだけでも私は「おお、分かったね!」と喜んでいました。

ところが1ヶ月経った頃にハム子さんは、探さず訊かずにスイッチを押して、トイレに入れるようになったんです!
…それが驚く程のこと?
ええ、ほとんど期待していませんでしたから!

新しく覚えられることもあるんですね〜。
ずっと覚えられなかった可能性も高いので、これは本当に良かったです。
毎日頻繁に使うものについては、覚えやすいみたいですね。
自分の部屋歯ブラシなど。
毎日デイサービスに行っても、何も覚えていませんが…。

「買い物に行ってくる」——認知症の母が一人で外に出ようとする

ハム子さんの引っ越しから3日間、私は仕事を休み、残っていた役所の手続きやケアマネジャーの訪問などに対応していました。
そのあとは仕事を再開しますが、介護サービスが開始するまで、ハム子さんが一人で過ごす日ができてしまいます。
無事に過ごせるんでしょうか。

休みの間私が台所にいると、ハム子さんがバッグを持ち部屋から出てきて、玄関に向かいます。
どうしたのか訊くと、
ちょっと買い物に行ってくる
との答えが。
東京では近所にコンビニがあり、一人で買い物に行っていたと妹が言っていましたが…。

ここは東京じゃないからと説明すると、その時は納得します。
訊くと、
「何が欲しいわけじゃないけど、退屈だし」
とハム子さん。
退屈だからと気軽に出て行かれたら大変です。
買い物には毎日連れて行ったし、部屋ではテレビを楽しんでいたんですが。

【ここは東京ではありません。外に出たら、帰れなくなります】
などと玄関に張り紙をしました。
買い物に連れて行き、一人でも過ごせるように食べ物も買い揃えました。
さあまずは3日間、私達が出勤している間、一人で過ごせるでしょうか。

大きな文字で手紙を書き、ハム子さんに見せて、部屋に置きました。
食事に飲み物、おやつも置いて、「帰ったら一緒に買い物に行くからね」と伝えてから出勤です。

仕事が終わると飛んで帰りましたが、ハム子さんは無事部屋で過ごしていました。
先に夫のちーちゃんが帰った時は、一緒に歩いてスーパーに行ってくれていました。
ありがたいことです。

「一人で出たらダメなんでしょ?わかってるよ」と笑うハム子さん。
心配するほどじゃないのかも…。
3日間何事もなく過ごせてホッとした私達夫婦なのでした。

次回はデイサービス体験へ

デイサービスとデイケアの体験を、それぞれ申し込んでいました。
問題なければ、組み合わせて毎週行く予定です。
週5回デイに行ってもらい、休みの日は私か夫が一緒に過ごせたらと考えていました。
次回はその時の話をお伝えします。

読んでいただき、ありがとうございました!
次回もお付き合いいただけると嬉しいです。

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