〈8〉認知症の困った行動あれこれ——記憶が残らないということ

介護日記

私の母ハム子さんとの同居生活。認知症ならではの、日常の「困った」は、共感できる方も多いのではないでしょうか。愛すべき人ハム子さんは、言ったことやったこと、なんでも忘れてしまいます。

母のタオル・着替え問題——使ったものも洗ったものも一緒にタンスへ

引っ越してきたハム子さんの荷解きをしたとき、大量のタオルが出てきました。ハム子さんが越してくる前に、足りないと困るからとタオルを買い足しましたが、必要なかったようです。

そのタオル、かなり年季が入ったものも多く、「もったいない」と捨てられなかった模様。擦り切れて向こうが透けて見えるもの、端がほつれてフリンジみたいになったものなど、雑巾でしょ?と思うタオルはダスターになりました。

最初はハム子さんの部屋にタオルを置いていましたが、管理ができませんでした。使ったタオルをそのままハンガーで干して、乾いたらタンスにしまってしまうのです。洗濯したタオルも使ったタオルも、一緒くたになっていました。

結局タオルは預かって、私が管理することに。タオルだけでなく、着替えもそうです。着ていた服や靴下をタンスにしまう、冬なのに夏服を着る、夏なのに冬服を着て汗をかいている…。

一緒に衣替えをしても、また引っ張り出してタンスに入れています。衣替えしたことは、もちろん忘れています。引っ張り出してタンスに入れたことも、忘れています。
私がしたのかな?ごめん
と言われたところで、また同じ繰り返しです。

今着ないハム子さんの服や肌着は、ケースを買い足して、私達夫婦の部屋の押し入れに預かりました。混乱しそうなものは、部屋に置かないのが一番です。とはいえ、夫婦の収納スペースにも限りがあるのですが…。

認知症の母の入浴——頭を洗わず出てきて脱衣所は毎回水びたし

私の一番の悩みは、ハム子さんの入浴タイムでした。デイで週3回入れるようになって、どれほど助かったことか!着替えの交換が必要、頭を洗わず出てくる、脱衣所は水びたしなのです。

まず、「夕食後にお風呂に入るからね」と伝えても、食休みの間に忘れて布団に入っています。それを起こして着替えを準備してもらいます。認知症でも、できることは自分で…というのはわかっていますが、この準備は私がするようになりました。

タンスの違う引き出しを開けては、「どこだろう」と探すところから始まるからです。
「なんで下から開けるの?下着は上の引き出しでしょ」
「シャツ取って、パンツ取って」
と横から小姑のように言うのは、お互い気分のいいものではありません。

脱衣所のカーテンを挟んで、脱いだものは洗濯ネットに入れるように声かけします。体を洗う用のフェイスタオルを持って入ってもらい、洗濯物を回収します。あとはお任せ…とはいきません。頭を洗わずに出てくることがあるので、声かけして戻ってもらいます。
「今日は洗わなくていいよ」
などと言われてイラッとするんですがね。

脱衣所の水びたし対策——認知症介護で試行錯誤したこと

ハム子さんは体を洗ったタオルをすすいで絞ったら、そのタオルで濡れた体を拭きます。そこまではいいんですが、脱衣所に出ると水を入れておいた洗面器を引き寄せて、またタオルをすすぎます。そのときに脱衣所に水が飛び散るんですが、お構いなしです。

脱衣所にある洗濯機の下の台は木製で、団地の備品です。カビでも生えたらと思うと、気が気ではありません。水が飛び散るからやめて、と言っても
もう終わるから
と急いですすいで、余計に飛び散っています。事後に説明して納得したとしても、次回には忘れて反映されません。

木製の台にはカバーをかけて、濡れないようにしましたが、毎回水滴を拭いてまわる必要があります。ハム子さんは濡れたタオルを部屋に持って帰るので、洗濯するからと回収します。そうしないと体を拭いたタオルも、髪を拭くと持っていったタオルも、後日タンスに入っていたりするんです。

デイで週に3回入浴することになり、本当にありがたかったです。仕事後の、のんびり過ごす時間もありませんでしたからね。

次回も認知症の困った行動の話

細かいことは気にしなければいいとは思います。自分ではかなりこだわりを捨てたつもりですが、
命に関わらなければいいじゃない
と心からは思えず、悶々としました。そんな認知症ならではの困りごとを、次回もお伝えします。

読んでいただき、ありがとうございます!次回もお付き合いいただけるとうれしいです。

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