〈1〉認知症の母を呼び寄せてみた——お試し同居1ヶ月の記録

介護日記

認知症になった家族との同居って、どんなもの?不安や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。私達夫婦は、離れて暮らしていた私の実母、81歳のハム子さんを呼び寄せて同居を始めました。

言動が理解できずイラッとすることがあっても、ネタとして受け止めることで、心穏やかに過ごせるかな…という期待を抱いて始めたブログ日記です。認知症の現れ方は人それぞれなのでしょうが、私達の体験が少しでも何かの参考になったらうれしいです。

認知症の母との同居初日——電気のプラグを抜いてしまう

東京で私の妹家族と住むハム子さんを、私達夫婦の住む兵庫に呼び、お試し同居がスタートしました。これでうまくいけば、兵庫に引っ越して実際に同居するという流れになります。

妹と飛行機に乗ってきたハム子さん。見た目も受け答えも、穏やかな普通のおばあちゃんです。お試し同居の説明はされていましたが、もう忘れています。ここにいる理由はわからず、どこか不安な面持ち。

妹は帰り、私達夫婦が住む団地に連れて来られました。居間にしていた部屋を使い、布団を敷いて休むことに。

11月に入り寒くなってきていたのでホットカーペットを設置するも、朝になるとプラグを抜き、コードを束ねてレジ袋に入れてありました。謎の袋詰め…。掃除機の充電コードも抜かれていました。今もそうですが、電気代が勿体無いと思うみたいです。

のちにケアマネに話すと、高齢の方には多いそうです。リモコンを回収しても、高い家具によじ登って、エアコンのプラグを抜く人もいたとか…。

認知症の夜間行動——夜中2時半に這いつくばってマットを拭く母

初日の夜中2時半。物音に気付き見に行くと、ハム子さんはキッチンマットに這いつくばり、ハンカチタオルでマットを擦っていました。…本当に何してるの?寝るように声かけしましたが、多分寝ていなかったんでしょうね。軽く居間が模様替えしてありました。

朝になり、諸々のことを「何で?」と訊くと、
「私がしたのかな?何も触ってないと思うけど」
とのこと。そうでしょうね…。

私と夫は、夜中にイタズラ妖精が現れたんだと思うことにしました。この妖精は、ハム子さん滞在中ほぼ毎日現れたようです。なぜか掃除機がバラして枕元に置いてあったことも。

何をしたとしても、時間が空くと「私がしたのかな?」と忘れており、「もうしないで」という会話もろとも忘れてしまいます。のちにハム子さんを担当してくださった理学療法士さん曰く、
「短期記憶が留まらず、保持できるのは2分まで
と…。まさに、今だけを生きている感じですね!

「帰る日はいつ?」を繰り返す——短期記憶が残らない

1ヶ月のお試し同居期間、私は職場に事情を説明して、有給休暇を取っていました。ハム子さんとずっと一緒です。30年近く離れて暮らしていたので、正直楽しみでもありました。

実際の同居前に引っ越しましたが、この時はまだ団地の5階に住んでいました。ハム子さんは、81歳でも階段をスイスイ、私と同じスピードで上ります。一緒に買い物に行ったり、ウォーキングをしたりするたびに、苦もなく階段を上り下り。体が元気なのはありがたいことです。

ウォーキングで外に出ると、イチョウ並木が色付いていました。ハム子さんは
「イ〜チョウなみ〜きの〜って歌あったよね」
と毎回言います。
曲名はわからず、最後まで歌ってから
「港町十三番地かぁ!」
という流れを毎日欠かさず!やっていました。

そして、玄関を入るたびに
「お邪魔します」
仕事から帰って来た夫には毎回
お邪魔してます
とにこやかに挨拶。

一人で過ごす時間があると、荷物をまとめたり、
「いつ帰るんだっけ?」
「どうやって来たんだっけ?」
「なんでここにいるのかわからないんだけど」
と混乱して何度も訊いてきました。その時は納得するけど、また忘れるんです。

この時からそうでしたが、一人で困ったことがあると、
あら!どうしよう!
などと大きめの声を上げます。無意識かどうかはわかりませんが、どうしたの?と声をかけて欲しいんでしょうね。それが夜中でも早朝でもお構いなしなので、時々安眠妨害されています。

お試し同居、次回に続く

慣れずに話が前後したりしますが、次回はお試し同居後半をお伝えする予定です。現在は同居1年が過ぎ、この頃は穏やかだったなぁ…と思いつつ書いていました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!次回もお付き合いいただけるとうれしいです。