〈13〉認知症の母がまた一人で外出——徘徊への不安と対策

介護日記

2月半ばに越してきたハム子さんは、10日ほどした頃一人で外出し、警察に保護されました。
その後、3月にはデイの利用が始まり、一人で退屈する時間は減っています。
でも4月に入り、また一人で外に出て行ってしまいました。

薄暗い中で偶然発見——車の窓越しに母の姿が見えた奇跡

その日、私は仕事帰りに用事があり、引っ越す前に住んでいた団地に向かいました。
夫のちーちゃんと電話で話し、ハム子さんの無事を確認
夫はお風呂に入るとのことでした。

団地に到着しましたが、疲れていたので少し車内でぼーっとしてから、顔をを上げた私。
窓の外にある植え込みの先に、見たことのある人影が歩いて行きます。

もう日が落ちて薄暗いし、他人の空似?
でも服装も手提げバッグも似ているような…。
見ているうちに、通りすぎて行ってしまいます。

「あの、ハム子さんじゃないですか…?」
急いで追いかけて声をかけると、
はぁい!
と満面の笑みで振り返ったのは、やっぱりハム子さん。

こんなところにいるはずがないのに…私は変な夢を見ているような気分でした。
ハム子さんはお構いなしに
「もう帰れないかと思った!よかったぁ」
とはしゃいでいます。
あのまま行っていたら、間違いなく帰れなかったでしょうよ、本当に…。

一人でスーパーに行ってお弁当を購入——認知症の母の行動力

夫に電話すると、お風呂に入っており、その隙に抜け出したようです。
部屋で声をかけた時ハム子さんは布団を敷いているところで、まさかそこから外出するとは思わなかったと驚いていました。
一人きりじゃなくても出ていくとは…。

今回は色々な偶然が重なり、いなくなったことが発覚する前に発見されるというミラクルな結果になりました。
でも、ほんの10秒ほどで通りすぎて行ったハム子さん。
キャッチできていなかったら、どうなっていたか…。

警察に保護された時、警察署に行きましたが、ボードに行方不明者の張り紙がたくさんありました。
一歩間違えたら、探しても見つからないこともあるのです。
日が落ちて薄暗い中、転んで怪我をしたり、人のいないところに行ってしまったかもしれません。

何をしに外に出たのか訊くと、案の定「わかんない」との答え。
前回は手ぶらでしたが、今回は手提げバッグを持っています。
見せてもらうと、中に小さなお弁当が入っていました。
30分ほど前の、スーパーのレシートもあります。

「そんなの買ったのかなぁ」
と呑気なハム子さん。
今思えば、当時通っていた認知症対応型デイサービスの、買い物ルートだったのかもしれません。
散歩がてら、スタッフと昼食の材料を買いに行っていたそうなので。
最終的にわからなくなって、団地の敷地に迷い込んだみたいですが…。

家族がいても一人で外に出てしまう——認知症介護で気が抜けない理由

この時に、自宅に家族がいても、一人で出ていく可能性があることがわかりました。
ドアベルも検討しましたが、団地なので近所迷惑になりそうです。
諦めて、ドアロックに鈴をつけてみたことも。
ドアを開けたら鈴が揺れて鳴るようにしました。

ところが、鈴が招き猫の形をしているのが悪かったようです。
一緒に外出する時に
あら、可愛いね
と猫に気を取られ、外出禁止の張り紙には目もくれなかったんです。

結果、鈴はすぐさま撤去し
一人では外出禁止
という、大きな文字の目立つ張り紙に変更したわけです。

この行方不明未遂からは、ハム子さんの財布と手提げバッグにGPSのキーホルダーをつけています。
ネットで取り寄せたものですが、まだ活躍していません。
幸いなことに、その後一人でのお出かけはまだないので。

財布の鈴たちは健在で、ハム子さんが財布を触るたびにチリンチリンと響き、私の昼寝を妨害します。
深夜・早朝でも鳴る時があるので、その時はタンスにしまってもらっています。
なんで財布を触っているのか訊いても、やっぱり「わかんない」です。

次回は母の日に起きた出来事

5月からデイサービスが変わり、週5で通い始めたハム子さん。
平和になるかと思いきや、やっぱりハム子さんは驚くようなことをやってくれます。
次回はそんな母の日のことをお伝えします。

読んでくださり、ありがとうございました!
次回もお付き合いいただけると嬉しいです。

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